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魂の舞
平成14年8月21日(水) 14:30〜15:30
ゆたか苑(豊島区) 特別養護老人ホーム
地唄「鉄輪」 他  胡弓独奏
舞:吉村桂充  唄・三味線・胡弓:吉澤昌江
司会:朝山まゆみ(ゆたか苑) 着付け:波多野範子
  雑務:國弘正彦

ゆたか苑に短期入所していらっしゃった男の方が、
舞を見て、こんな感想をお寄せくださいました。

「静の表現が、ストレートに伝わってきた。
鬱々としていた自分の気持ちが、晴ればれとして、
すっきりした。」

舞は魂の磨き粉。見てくださる方々のこころが、
雨上がりの空のようにすがすがしく、
晴れ渡りますように。

魂の舞
平成14年7月13日(土) 15:00〜16:15
信愛病院(清瀬市) ホスピス・外来病棟
土曜コンサート
地唄「松の寿」  地唄「小簾の戸」
舞:吉村桂充  唄・三味線:吉澤昌江
着付け:波多野範子  雑務:國弘正彦

7月11日の夜、上方舞友の会会員、佐々木光子さんから
久しぶりのお電話を頂いた。

「今日母が入院した病院に土曜コンサートのポスターがはって
あって、上方舞と書いてあるんだけれど、もしかして
桂充さんが舞うの?」

不思議なご縁。神様のめぐり合わせ。
私どもが信愛病院で舞をご披露する2日前に、
舞をこよなく愛してくださっているお母様が入院するなんて。

今日、最期の地を求めて、熱海の病院から転院し、
看護婦さん付き寝台車でたどり着いたばかりとのこと。
お母様が入られたのは、残念ながらホスピス病棟。
当日、その方は意識もなく眠っていらっしゃった。

「お母様、お母様の大好きな桂充さんが来てくださったわよ。」
光子さんが、声をかけてくださる。

かすかな身動きさえなく横たわったベッドのまま、舞の場所へと
運ばれて来てくださった。
ひたっと目を閉じ、キュッと口を結んだそのお顔に向かい、
「これから舞わせていただきます。」と、心の中で申し上げた。

三味線の音にひるがえる扇。流れる裾。
お目は閉じていても、きっとその方の魂が見ていてくださる、
と信じて舞った。

舞い終わり、お母様のお顔をのぞいた。
あいかわらず同じ方を向いて、かたく目を閉じていらっしゃる。
でも、その口元、ほほには、かすかな笑みが浮かんでいる。
春風に花が開いたように、お顔がほころんでいらっしゃる。
光子さんが、「とても反応しています。」とおっしゃった。

私の心には、満開の桜がくるほしくふりかかった。

神様、こんな不思議なめぐり会いをお与えくださり、
本当にありがとうございました。

魂の舞
平成14年6月19日(水) 14:30〜15:30
第二有隣ホーム(世田谷区) 特別養護老人ホーム
地唄「松の寿」  語り「アマ」  筝曲「六段の調べ」
舞:吉村桂充  唄・三味線・筝:二宮喜久輔  語り:アベル・ソラレス
司会:豊田高史  着付け:波多野範子  雑務:國弘正彦

日本髪とお引きずりの着物姿の出現に
「芸者か? 新橋 赤坂 神楽坂…」
いくつも続く 花街の名

過ぎし日を懐かしむ くぐもった声
男の方の低いつぶやきが くり返される

走馬灯のように駆けめぐる
働き盛りの昔の 緋色の華やぎ



特別養護老人ホームにて

「あっ 丸まげ」
結い上げた黒髪に 懐かしそうな声があがる
三味線の音といっしょに なにやら唄う声
時々 言葉にならない奇声が 合いの手を打つ
齢を重ねた方々の人生が 浮き上がります
お一人 お一人の歴史の重みを感じながら 舞わせていただきました
その心のひだに 地唄の余韻とともに 舞の輝きがとどくことを願いつつ
表情の乏しくなった目に光る涙
時にはおえつさえ…
私どもの舞をこれほど喜んでいただけたことは
今までにありませんでした
しあわせな しあわせな気分になったのは
私どもの方でした

 

重度心身障害児・者施設にて

天真爛漫 奇想天外な表現力
だれにも真似のできない独創性
重度の障害をもつ方々の とぎすまされた感受性と 豊かな才能
魂の舞にさきだって体験したボランティア活動
彼らとともに過ごした一週間は 命の輝きのまぶしさに満ちていました
そして 秋の文化祭 魂の舞当日 幕があがり
はじめて見る舞に 点になる彼らの目
その後 各療育棟を衣装のすそをからげて訪問
一人 一人とアイ・コンタクトやスキン・シップ
純心な彼らとのふれあいは 私どもの胸のうちに 大きな愛の泉を
湧き出させてくれました

 

ホスピス 緩和病棟にて

この世とあの世とのかけ橋
今まさに その橋を渡ろうとしている方々にとって
一瞬 一瞬が どれほど貴重なことか
そのひと時 どんなに小さな瞬間をも大切にしたい
私どもの舞が 橋へとつながる道端の 一輪の花となるよう
祈りをこめて舞いました
舞いながら 無限に広がっていく 時の流れ
「いい冥土のみやげになりました」
舞い終わると 死を目前にした方が あかるい笑顔でおっしゃいました
時の重みを超えて この世とあの世とをつなぐ舞を
教えていただきました

 

 

心と体と命をみつめるプロジェクト 「魂の舞」

平成13年度実績

  1. 8月17日(金)14:30−15:30 ゆたか苑 (特)  豊島区長崎3-26-4
         曲目 / 地唄「小簾の戸」 胡弓「虫の音」 上方唄「文月」
         出演 / 吉村桂充 吉澤昌江  着付け / 波多野範子

  2. 9月 5日(水)14:30−15:00 江東ホーム (特)  江東区東陽2-1-2
         曲目 / 地唄「寿」 上方唄「いざや」
         出演 / 吉村桂充 吉澤昌江  着付け / 波多野範子

  3. 9月30日(日)14:00−15:00 一番町特別養護老人ホーム (特)  千代田区一番町12
         曲目 / 地唄「猩々」 地唄「寿」
         出演 / 吉村桂充 吉澤昌江  着付け / 波多野範子

  4. 10月 7日(日)11:00−12:00 宮の里 (特)  宇都宮市他田野町666-2
         曲目 / 地唄「鐘が岬」 平家琵琶「月見」
         出演 / 吉村桂充 鈴木まどか  着付け / 波多野範子

  5. 10月24日(水)14:30−15:15 東京有隣会第二有隣ホーム (特)  世田谷区船橋2‐15‐38
         曲目 / 地唄「菊の露」 地唄「茶音頭」 筝曲「月下流水」「数え歌変奏曲」
         出演 / 吉村桂充 木田敦子  着付け / 波多野範子

  6. 11月 9日(金)14:30−15:30 衣笠ホーム (特)  横須賀市衣笠小矢部2-23-1
         曲目 / 地唄「ゆかりの月」 上方唄「いざや」「金毘羅船々」
         出演 / 吉村桂充 衣笠一代  着付け / 波多野範子

  7. 11月16日(金)14:00−15:00 浴風園 (特)  杉並区高井戸西1-12-1
         曲目 / 地唄「菊の露」 地唄「茶音頭」 筝曲「荒城の月」「うさぎ」
              「中国地方の子守歌」「数え歌変奏曲」
         出演 / 吉村桂充 木田敦子  着付け / 波多野範子

  8. 11月18日(日)14:30−15:30 秋津療育園 (重)  東村山市青葉町3-31-1
         曲目 / 地唄「鐘が岬」
         出演 / 吉村桂充 吉澤昌江  着付け / 波多野範子

  9. 11月25日(日)14:00−15:00 久我山園 (特)  世田谷区北烏山2-14-14
         曲目 / 地唄「菊の露」 地唄「鐘が岬」
         出演 / 吉村桂充 吉澤昌江  着付け / 波多野範子

  10. 12月 1日(土)14:00−15:00 長寿苑 (特)  八王子市叶谷町1133
         曲目 / 地唄「菊の露」 地唄「茶音頭」 筝曲「荒城の月」「うさぎ」
              「中国地方の子守歌」「数え歌変奏曲」
         出演 / 吉村桂充 木田敦子  着付け / 波多野範子

  11. 1月19日(土)15:00−16:15 信愛病院 (特,ホ)  清瀬市梅園2-5-9
         曲目 / 地唄「寿」 地唄「黒髪」
         出演 / 吉村桂充 吉澤昌江  着付け / 波多野範子

  12. 2月27日(水)10:30−11:30 久我山園 (特)  世田谷区北烏山2-14-14
         曲目 / 地唄「寿」 地唄「黒髪」 筝曲「さくら」「花嫁人形」「六段」「数え歌変奏曲」
         出演 / 吉村桂充 木田敦子  着付け / 波多野範子

  13. 3月 1日(金)14:00−14:30 東京衛生病院 (特)  杉並区天沼3-17-3
         曲目 / 地唄「寿」
         出演 / 吉村桂充 秋山恵子  着付け / 波多野範子

        [ 注: (特)特別養護老人ホーム  (ホ)ホスピス  (重)重症心身障害児(者)施設 ]

 魂の舞助成団体
    (財)森村豊明会

 当プロジェクト実施のため事前に取り組んだ研修・ボランティア活動

  1. 聴覚障害者のための「楽しく体を動かす教室」参加  世田谷区立総合福祉センター
  2. 第63回愛のプレゼント ボランティア研修奉仕団 に参加  読売光と愛の事業団
                                                敬称略
                平成14年4月30日 上方舞友の会 代表 吉村桂充

 

第63回ボランティア研修奉仕団に参加して
「重度心身障害児(者)施設 秋津療育園での六日間」   吉村桂充

園生の方達の素晴らしい個性、豊かな感受性に触れ、感動し、
この六日間を楽しく過ごさせて頂きました。
現代舞踊の振付家や作曲家でも思いつかないような独創的な
パフォーマンスが、ごく自然に次から次へと湧き起こっては、私の目の
前にくり広げられるのを見て、私達一般社会の住民の感性の鈍さ、
表現の貧困さを教えられました。
彼らは大きなハンデイをしょっています。けれど、だからこそそれを
乗り越えて生きていく大いなる才能を与えられ、
誰にも負けない自己主張を持ち、堂々と生きているのです。
その立派さに、思わず一人一人を抱きしめたくなるほどです。
スタッフの皆さんも、心の底からの愛情を惜しみなく彼らに
与えていらっしゃる。
いつ腰を痛めても不思議でない程の大変な重労働。
それをユーモアと笑いの絶妙な味つけで、いきいきと楽しく
こなしていらっしゃる姿に、尊敬の念を覚えました。
決して機械的な流れ作業に任せない、手のぬくもりと
あたたかな思いやりに満ちた療育。
その象徴が、使い古した布のおむつ。
私も、赤ちゃんのようにあどけなくなられたお年寄りの介護を
三年間ほどさせていただきましたが、もっぱら紙おむつ。
今回、この古典的な手法を学ぶことができたのもしあわせでした。
療育という言葉のしめす通り、園生一人一人をよく見つめ、
それぞれの持っている力を引き出し育てて行こうとする姿勢には、
「教育」ということの原点を改めて考えさせられました。
プロならではの行き届いた介護は、親元を離れた園生の孤独を
完全に埋めることはむずかしいにしても、
家庭では忘れられがちな社会性を育み、多様な刺激によって
心身をともに蘇生させることでしょう。
プール遊びや料理教室の時、体中で喜びを表現し、大きな声を
上げて笑う園生達の姿に、こちらも一緒になって、その喜びの渦に
巻きこまれてしまいました。
また、こういった園生達の生活を陰で支える方々の何と多いこと。
山のような洗濯物、一人一人の為に吟味された食事、
毎日のベッドメイキングや掃除、膨大な量の雑用にたずさわる
人々に支えられている秋津療育園。
これからもますます心のこもった療育に貢献されますよう、
お祈り申し上げます。           平成13年8月27日

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